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誰でも音楽に救われた経験があると思います。 落ち込んだ時、 何かを失った時、 音楽には人を惹きつける不思議な力があります。 歌の作者が想いを込めて書いた詩が 心に染み渡る時もあれば、 メロディーや音色自体が 心に響いてくる時もあります。 そんな人生の中で大切な曲は、 一生の宝物のような存在ですね。 私にとっても、いつも側に置いておきたい、 精神安定剤のような曲があります。 それはバッハのゴールドベルク変奏曲です。 奇才と呼ばれたグレングールドの演奏が、 私にとっては一番しっくりと来ます。 最初に聞いたからだと思いますが。 この曲は、不眠症の女性の為に作られたと 言われるもので、ひとつのテーマが どんどん変奏され変化していくものです。 最終的には最初のテーマに戻って終わるのですが、 そのいくつもの変奏曲は淡々と、 時には力強く、時には優しく展開していきます。 ピアノに説得されていくように、 身体にじわじわと染み渡り、心が静かになるのです。